No Programming, No Life

プログラミング関連の話題や雑記

強くてニューゲームすすめ

はじめに

昔、クロノトリガーというRPGがありました。人気ゲームだったので知っている人も多いと思います。このゲーム、色々な時代や時間を移動しながら冒険が進んで行くのですが、面白いシステムが採用されていたました。それが強くてニューゲームです。

強くてニューゲームとは何か

強くてニューゲームとは、前回クリアしたレベルと所持アイテムを維持した状態でゲームをもう一度始めからスタートできる機能です。もちろんレベルが高いので敵は弱いし、サクサク攻略することができるわけです。そんなに急いでプレイして一体何が面白いのかというと、クロノトリガーはマルチエンディングという機能が備えられていたため、エンディング全てを見るためにいちいち最初からレベル上げをしながら物語を再度始めていたのでは時間がいくらあっても足りないという事情がありました。一刻も早く全てのエンディングを見たい、そんなプレーヤーのために設けらたの機能というわけですね。また、強くてニューゲームした状態でないと見れないイベントなどもあった気がするので、ある意味そちらが本番という人もいるのではないでしょうか。

日々の生活に当てはめる

さて、ここまではゲームのお話ですが、これを応用して日々の生活に当てはめてみましょう。たとえば新しい技術を本で学習していると想定してみましょう。

まず、ラスボスを倒す

これはひとまず本を通しでザラっと読了してしまうということです。読者の力量によって様々ですが、それぞれ

  • 既に知っている知識
  • 読んで新しく得られた知識
  • 読んだがまだ理解できなかった知識

などがある状態だと思います。
本を読み終わった直後は[新しく得られた知識」に目が行きがちですぐに試してみたくなったりします。そして、いくらか時が過ぎたころ、その時「まだ理解できなかった知識」というのは大抵忘れ去られてしまうものです。これらの知識は他の本を読むことにより相互に補完はされてゆくものですが、運悪く埋められずに穴として残ってしまう場合もあります。

強くてニューゲーム開始

さて、ある程度の期間をおいてから、再び同じ本を読み返してみることにしましょう。

  • 前回読んだ時に新たに得られた知識
  • 他の本を読んだことによって補完された知識

が加わっているため、既に知っている知識は格段に増えていることでしょう。人間は忘れる動物であるということを差し引いても、以前読んだときよりも驚くほど早く読み進められるのは間違いありません。

マルチエンディングを攻略せよ

強くてニューゲームの状態で注目すべきところは前回読んだ時の積み残し部分です。既に分かっているところはさらっと読み飛ばす程度で構いませんので、どんどん読み進めていきましょう。すると不意に分からない部分、忘れてしまっていた部分に巡り会います。言ってみればそこがあなたのマルチエンディングへの入り口なのです。前回は得られなかった知識を再度手に入れるチャンスが訪れました。思う存分攻略を楽しんで下さい。これはあなただけの物語なのです。

おわりに

この例では「技術本の読書」を例に出しましたが、対象は実は何であっても構いません。例えば同じ本であっても小説などの場合は、読み手が成長したことにより人生経験も豊かになり、前回読んだときは得られなかった物語の深みなどを知ることができたり、子どもの頃は苦手だった数学や歴史をあたらめて勉強してみたら、その面白さにはまってしまう、なんてこともあるでしょう。
人間は学習する対象に出会った時点で、それを一回で完全に理解することは不可能であるとたかをくくってしまうことです。人生が続く限り、クロノトリガーと同じようにあとで何度でも強くてニューゲームできるのですから、何度も何度もプレイして自分の世界を広げて行けばよいのです。