PowerShellについて誤解していたこと
PowerShell使ってますか?当記事ではPowerShellについて誤解していたことを書きたいと思います。
目次
PowerShellとの再会
最近、お仕事でWindows系サーバーの移行などやることになったのですが、その際に今までよりもWindowsと仲良くしないといけなくなりました。そんな中で再会したのがPowerShellです。
PowerShellはコマンドプロンプトの後継として結構昔からあって、存在は勿論知っていたんですが、Windowsは長らくbatファイルしか扱えないし、大したこともできないんだわ、は~Bashが使いたいなぁ~と、それこそ食わず嫌いのように過ごしてきました。しかし、今回のお仕事で軽くPowerShellでスクリプトを組むことになりそうで、PowerShellに遅ればせながら入門する形となったわけです。
PowerShellの何が良いか
一言で言うなら、バッチ(bat)で出来ないあれやこれやが簡単にできることです。例えば、Windows PCしかない環境でファイルのハッシュ値を知りたいな♪ となった場合、どうしますか?お好みのスクリプト言語をインストールしますか?場合によってはインストール禁止の現場もありますよね。そんな時、PowerShellなら簡単に実現できるんです(以下)
PS C:\temp> Get-FileHash .\test.txt Algorithm Hash Path --------- ---- ---- SHA256 43940E53EB7D524938CE68BE5446BB68BBB87095125878D33979A83637DC261A C:\temp\test.txt PS C:\temp> Get-FileHash -Algorithm MD5 .\test.txt Algorithm Hash Path --------- ---- ---- MD5 7AD3ADF4EB7E0E46BE649DB2752F3CF0 C:\temp\test.txt
PowerShellスクリプト
PowerShellをスクリプトとして保存しておいて(拡張子は.ps1)使うとさらに便利です。なぜなら、変数が使えたり、if-elseやswitch、foreachなどの構文も使えたりするからです。また、PowerShell ISEという専用のIDEも標準でWindowsに付属しており、これを使ってスクリプトコードの編集、コーディング中はコード補完もあるし、スクリプトの実行やデバッグ実行なども出来たりするのです。結構すごいなと思います。
なぜバッチファイルは不便なままなのか
Windows10になってもバッチ(bat)の言語仕様は強化されないしずっと昔のまま使いづらいなぁ…と思っていましたが、PowerShellはその間もずっとバージョンアップが続けられてきていたようでした。つまりバッチはもうシェルとしては打ち止めで、これからのシェルとしてはPowerShellに全力を注ぎますよと、そんなマイクロソフトの意気込みが感じられます。
PowerShellが初見さんに敬遠される理由
私も含めですが、あまりWindowsユーザに広く浸透しているとは思えないPowerShell、そんなPowerShellが初見さんに敬遠される理由の一つに、コマンドが長くて打つのが面倒!新しく覚えるのが面倒!というのがあると思います。
たとえばディレクトリを変更するコマンド(いわゆるcd)は・・・
PS C:\> Set-Location "C:\temp" PS C:\temp>
ただし、ここらへんはトレードオフな気がします。古きを捨て新しいものを作るには勇気や思い切りがいるものです。そういった意味でPowerShellの取った方針は英断だったと私は思います。短い変数名や関数名が好まれて使われるC言語から、意味が明確になるなら長いクラス名やメソッド名を歓迎するオブジェクト指向の世界へシフトしたような感覚です。 ちなみに、PowerShellにはalias機能があって、良く使う慣習的なコマンドはデフォルトでaliasが割り当てられています。たとえばcdとかdirとかlsとか。ただしこれもやり過ぎには注意が必要なのではないでしょうか。何でもLinuxコマンドに倣うのではなくて、alias機能は過去の慣習への互換性のために使うのがよいと思います。上記のSet-Locationなどはそれこそcdで良いかなと。
おわりに
まぁそんなわけで、バッチ(bat)ファイルの黒魔術に絡めとられて現場でお困りの皆さんがおられましたら、ちょっと手を止めて、黒いウインドウを閉じて、少し群青色がかったウインドウを開いてみるのはいかがでしょうか。
参考
PowerShell/PowerShellでファイルのハッシュ値を確認する方法・Get-FileHash - Windowsと暮らす